Mendelssohn & Shostakovich Violin Concer
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一見、この2つの協奏曲のカップリングは奇妙なものに見えよう。ヒラリー・ハーンは、専門的というよりはむしろ、くだけた内容のライナーノーツのなかで、この2つを組み合わせた説得力のある理由を記している。聴き手にとってもっとも重要な理由は、これらの曲への彼女自身認める愛着、好みで、それは彼女の演奏の一音一音を通して語られる。
22歳のハーンは、十代の人目を引く神童から並外れたヴァイオリニストへと成長してきた。彼女のテクニックはすべての難題にこたえるだけの力があり、人にそのことを忘れさせるほど、いとも易々と弾いてみせる。その音色にはレーザー光線のような直進性と強度があり、精緻なクリスタルガラスのような無傷の純粋さがある。これは、飾りやうわべの効果、あるいは誇張といったもののない、澄明で直截(ちょくせつ)な彼女のスタイルに引き継がれており、レコード全体を通してスライド奏法はほとんどない。彼女の演奏法はどちらかといえばクールだとしても、それはまた格調高いということでもあり、感情的にまったく気取りがないので、メンデルスゾーンのようなポピュラーで聴き慣れた音楽でも新鮮に聴かせられるのだ。
彼女はリズムを勝手に変更することはあまりないが、テンポは雰囲気や表現に応じて自由に変えており、第1楽章の第2主題は他の主題よりもはるかにゆっくりと弾いている。ショスタコーヴィチもまた新鮮で、違ったふうに聴こえる。ロシアの偉大なヴァイオリニストがすべてレパートリーにしているこの曲は、通常、芳醇(ほうじゅん)な音色で情感をたっぷり込めて演奏される。ハーンはこの曲がもつ暗く悲しみに沈んだ絶望、取りついて離れない強迫観念、冷笑的なアイロニーをとらえているが、その演奏ぶりは、真っ赤というよりも薄青色に燃え立つ炎のようである。そこには抑制感、閉じ込められた緊張感、興奮状態が明らかに見て取れ、それは最後にカデンツァで燃え尽きる。まさにうっとりするような演奏である。オーケストラも上々の出来だが、メンデルスゾーンでは往々にして音が大きすぎる。(Edith Eisler, Amazon.com) ...もっと読む
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